近年、オフィスでのWEB会議は日常的な業務の一部となりました。しかし、会議室の予約が取りにくい、オープンなスペースでは周囲の音が気になる、といった課題を感じている方も多いのではないでしょうか。
個室型WEB会議ブースは、オフィスにプライベート空間を提供し、これらの課題を解決します。本特集では、WEB会議ブースを取り入れるメリットや注意点、そしておすすめ3選を解説しています。ぜひ参考にしてください。
WEB会議ブースとは
WEB会議ブースとは、オフィス内に設置される、個室型の集中スペースです。社内外とのオンライン会議や、集中して作業したい時に周囲の音や視線を気にせず利用できます。「個別ブース」「テレワークブース」「集中ブース」などと呼ばれることもあります。
一般的なオフィスでは、会議室が埋まっていたり、オープンスペースでは周囲の話し声が気になったりして、集中できる環境を確保するのが難しい場合があります。WEB会議ブースは、このような課題を解決し、生産性向上に貢献するツールとして注目されています。防音性や遮音性に優れており、外部への音漏れを気にせず発言できるため、機密性の高い内容の会議にも適しています。また、一人用から複数人用までサイズも様々で、オフィスのスペースや用途に合わせて選択可能です。
WEB会議ブース導入のメリット
WEB会議ブースをオフィスに導入することには、多くのメリットがあります。まず、最も大きな利点は集中力の向上です。防音性に優れたブース内でWEB会議を行うことで、周囲の雑音に邪魔されることなく、会議に集中できます。これにより、発言内容の質の向上や、会議時間の短縮にも繋がります。
次に、情報漏洩のリスク低減が挙げられます。オープンスペースでのWEB会議では、機密性の高い情報が意図せず周囲に聞かれてしまう可能性がありますが、個室ブースであればそのリスクを大幅に軽減できます。
さらに、会議室不足の解消にも貢献します。大人数での会議が少ない場合でも、気軽に利用できるWEB会議ブースがあれば、会議室の空きを待つ必要がなくなります。これにより、スペースの有効活用と従業員のストレス軽減に繋がります。また、個人作業に集中したい従業員にとっても、一時的な集中スペースとして活用できるため、生産性向上に寄与すると言えるでしょう。
WEB会議ブースの選び方
WEB会議ブースを選ぶ際には、以下のポイントに着目しましょう。
ポイント①：遮音・防音性能
WEB会議ブースを選ぶ上で最も重要なのが遮音・防音性能です。ブース内部の音が外部に漏れないことはもちろん、外部の音がブース内に侵入しないことも重要です。特に、機密性の高い会議や集中を要する作業で利用する場合、高い遮音性能は必須です。製品によっては、JIS規格に基づいた遮音等級が記載されているものもありますので、性能を比較検討する際の参考にしましょう。実際にデモ機を試して、その性能を体感することも推奨されます。
ポイント②：価格帯
WEB会議ブースの価格は、製品のサイズ、素材、機能、遮音性能によって大きく変動します。低価格帯の製品から、高機能・高品質なものまで幅広く存在するため、予算と必要な性能のバランスを考慮して選ぶことが大切です。初期費用だけでなく、設置費用や将来的なメンテナンス費用も考慮に入れる必要があります。複数のメーカーから見積もりを取り、価格と性能を比較検討することで、費用対効果の高い選択ができるでしょう。
ポイント③：デザイン
オフィスの景観に合わせたデザインを選ぶことも重要なポイントです。WEB会議ブースはオフィス内に設置されるため、周囲のインテリアに馴染むかどうかは、オフィスの雰囲気を大きく左右します。シンプルなものから、木目調、カラフルなものまで多様なデザインがあります。また、採光性や換気機能など、快適性を高めるデザイン要素も確認しましょう。従業員が気持ちよく利用できるような、機能的で魅力的なデザインを選ぶことが、利用促進にも繋がります。
WEB会議ブースおすすめ3選
WORKPOD（ワークポッド）┃コクヨ
特徴：換気性能、デザイン性、豊富なバリエーション
コクヨの「WORKPOD（ワークポッド）」シリーズは、WEB会議や集中作業、少人数でのミーティングなど、多様な働き方に対応するWEB会議ブースです。
大きな特徴は、優れた換気性能とデザイン性、そして豊富なバリエーションです。人感センサーにより、利用時は常に約40秒に1回のペースで換気される機械給気方式を採用しており、閉鎖空間でも快適な環境を維持します。また、ガラス面を最大限に活かしたフレームデザインは、開放感と採光性を両立しつつ、強化合わせガラスの使用により高い遮音性を確保しています。
1人用から複数人用（2人用、4人用、1on1タイプ）まで幅広いサイズ展開に加え、ソファタイプ、デスクタイプ、スタンディングタイプなど、内部のレイアウトも選択可能。照明の調光調色機能や、電源・USB給電、ディスプレイ設置対応など、機能面も充実しており、オフィスのニーズに合わせて柔軟な空間構築が可能です。
TELECUBE（テレキューブ）┃オカムラ
特徴：遮音・防音性能、安全性、豊富なバリエーション
オカムラの「TELECUBE（テレキューブ）」シリーズは、高い防音性と安全性を兼ね備えたWEB会議ブースです。
最大の特長は、業界トップクラスの防音性能です。フルクローズ型の設計に加え、遮音・吸音素材を壁材に採用することで、外部からの音を遮断し、ブース内の音漏れも抑えます。これにより、WEB会議や電話、集中作業に最適な静かな環境を提供します。また、換気ファンにより約40秒で室内空気が循環し、快適な空間を維持します。
安全面では、指はさみ防止機能を備えた蝶番、不燃材の内装パネル、さらには天井スプリンクラーの設置など、万全の火災対策と安全配慮がなされています。一人用から複数人用までサイズ展開があり、車いす対応のユニバーサルタイプや、短時間利用に適したフォンブースタイプなど、用途に合わせた豊富なラインナップも魅力です。
Biz Break（ビズブレイク）┃イナバ
特徴：コストパフォーマンス、シンプル設計、吸音性能
イナバの「Biz Break（ビズブレイク）」シリーズは、オフィスに手軽に導入できる、シンプルでコストパフォーマンスに優れたWEB会議ブースです。
大きな特徴は、その導入のしやすさです。シンプルな構造と設計により、比較的安価な価格設定を実現しており、初期導入コストを抑えたい企業や、まずは手軽に個室型WEB会議ブースを試してみたいという企業におすすめです。シンプルを追求したデザインは、どのようなオフィス空間にも馴染みやすく、圧迫感を与えません。
機能面では、必要な要素をコンパクトにまとめることで、無駄を省いた設計が特徴です。採光窓付きで閉塞感を軽減し、換気ファンも標準装備。ドアパネルの内側にウレタンを入れ、室内側を有孔仕様にすることで内部からの音が外に漏れにくく、吸音効果が期待できます。
WEB会議ブースを導入する際の注意点
WEB会議ブースの導入は、いくつか注意すべき点があります。
①建築基準法と消防法を確認する
WEB会議ブースは、その構造や設置場所によっては建築物の一部とみなされ、建築基準法の規制を受ける可能性があります。特に、造作工事を伴う据え置き型や、一定の高さ・面積を超えるブースは、建築確認申請が必要となる場合があります。 また、火災発生時の避難経路の確保や、スプリンクラー・火災報知器の設置義務など、消防法の規制も厳密に確認しなければなりません。万が一、これらの法令に違反した場合、行政指導や罰則の対象となるだけでなく、従業員の安全を脅かすことにもなりかねません。導入を検討する際は、専門家である建築士や内装業者、またはブースメーカーの担当者に相談し、自社のオフィス環境に合わせた適切なアドバイスを受けるようにしましょう。
②設置場所を検討する
WEB会議ブースは、オフィス内のどこに設置するかによって、従業員の利用しやすさやオフィスの導線に影響が出ます。人通りの多い場所に設置すると、ブースの出入りが周囲の邪魔になったり、ブース内で集中しづらくなったりする可能性があります。逆に、あまりにも奥まった場所に設置すると、利用頻度が低くなることも考えられます。電源の確保や、換気の問題も考慮に入れる必要があります。
③運用ルールを策定する
予約システムの導入、利用時間の制限、飲食の可否など、明確なルールを設けることで、従業員全員が気持ちよく利用できます。特に、利用が集中する時間帯の公平な利用を促すためのルールは重要です。清掃やメンテナンスについても、誰がどのくらいの頻度で行うのかを明確にしておくことで、常に清潔で快適な状態を保つことができます。
まとめ
今回は、コクヨのワークポッド、オカムラのテレキューブ、イナバのビズブレイクという、3つの個性的な個室型WEB会議ブースをご紹介しましたが、貴社オフィスに最適な一台は、どのような要素を重視するかによって異なります。
例えば、頻繁に複数人でWEB会議を行うオフィスには、豊富なバリエーションとオフィスに馴染むデザインを備えたワークポッドが適しているかもしれません。機密性の高い会議が多いオフィスであれば、テレキューブの遮音・防音性能は大きな魅力となるでしょう。一方、限られたオフィススペースに手軽に導入したい、あるいは初期コストを抑えたいというニーズには、ビズブレイクが最適な選択肢となる可能性があります。
最適な一台は、お客様の利用目的やオフィスの環境によって異なります。ご不明な点やご要望がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。弊社の専門スタッフが、貴社に最適なWEB会議ブース選びを親身にサポートさせていただきます。